その一

私たちの
酢造り
河原酢造の取り組みを紹介する動画(7分)です。
是非、ご覧ください。
「酢は酒から造られる」ということをご存知でしたか?
酢は身近な調味料ですが、どのように造られているのか、知らない方は少なくないと思います。
近年の多様な技術革新により、「本来の造り方」で醸造されている酢は希少になっています。
低価格で手に入る酢は、一方で魅力的かもしれませんが、本来、酢が持つ味わいの豊かさを感じられないとも言えます。
小規模な醸造所であるがゆえ、大量・安価に酢を造ることはできませんが、原料にはじまり、ひとつひとつの工程を丁寧に取り組み、香り、味わい共に優れた品質を目指しています。
その二

河原酢造が求める
酢の品質

安全・安心と
爽やかな酸味

老梅 有機純米酢に使われている原料米はすべて国内で有機栽培されたものです。科学的な農薬・肥料を一切使わずに育てられた米のみを使っています。稲作は一昔前までは多大な労力を必要とする仕事でしたが、これもまた、技術革新により圧倒的な省力化がすすみました。作業者は楽になりましたが、稲の生理にとって健全ではない点が多く見受けられます。健康で力強い稲を作ることが大切です。

暑い時期に酸味の効いた料理は清涼感を感じさせてくれます。爽やかな味の酢の物・酢漬けは食卓を彩ります。寿司の米と魚を調和させているのも酢の役割です。「調理の幅を広げる香りと味わい豊かな酢」そういう酢を目指します。
米のみから本来の造り方をした酢は「ムレ臭」と呼ばれる特有の不快臭がつきものと言われます。私たちの酢はムレ臭がなく、爽やかでフルーティな香りを特徴としています。クセがないため、和食に限らず幅広くお使いいただけます。
その三

米作り

雑草に負ける
わけにはいかない
有機栽培

「できれば農薬を使わない作物を」作りたい、買いたい。誰しもそう思うことでしょう。そう思うからこそ有機の酢を造りはじめ、やがて原料の栽培を手掛けるようにもなりました。そして農業に携わることで、いかにそれが困難なことであるのかを痛感しました。
米作りにおいて、雑草対策は最大の悩みです。対策を誤ると水田はたちまち雑草で埋め尽くされ、充分な品質・収量を得られなくなります。知恵を絞り、農薬に頼らない方法を模索しています。
原料米は福井県大野市で自社栽培したものの他、石川県の2件の生産者、秋田県の1件の生産者から購入しています。生産者とは交流を欠かさず、同じ米農家として意見の交換などを行い、互いに刺激しあって米作りに励んでいます。
生産者
その四

自社栽培

紙マルチ農法

紙マルチ農法の田植えをしていると、通りがかりの農家のオジさんの目が点になってしまいます。日本で有機栽培に取り組む農家は全体の0.1%に過ぎないので、無理はありません。
一般の田植え機は苗を掻き取り、田面に植えつけていきますが、紙マルチの機械は、同時に紙を田んぼの表面に敷き詰めながら、植えつけていきます。苗が植えられている部分以外は、一面が紙で覆われているという状態です。一般栽培では、紙でなく土が表面に見えるわけですから、確かに異観です。
紙は徐々に分解され40日ほどで溶けて土に還ります。その間、紙の下にあって発芽しようとする雑草の生育を抑え、小さな苗が大きく成長するための時間を稼ぐことが目的です。幼かった苗も40日もたてば、若々しい青年期といった頃合いでしょうか。雑草という世間の荒波に揉まれても、へこたれることなく成長してくれます。
紙が溶けた後、草取り作業や生育に応じた追肥を行い、収穫の時を迎えます。
その五

酒造り

飲むためでは
ない酒、
酢にするためには

「酒造りをやっている」と説明すると、しばしば「自分で飲んで楽しんでいるの?」という質問をされます。答えはNOです。飲んで美味しい酒が良い酢になるとは考えません。直接飲む嗜好品としての酒、もう一度醗酵させて酢という調味料になる酒、アルコールを含んだ液体であることに変わりはありませんが、両者の性質は似て非なるものがあります。
旨味成分であるアミノ酸が豊富な酒を目指します。そのために精米、米洗いなど日本酒の造り酒屋さんとは異なる観点で取り組み、濃厚な酒を造るように心がけています。そして香りの優れた酢にするためには、酒造りの取り組み方が品質を大きく左右します。
その六

麹造り

酒造りの核

「もう一生やりたくない」酒造りシーズンの後半に一度は頭によぎる思いです。河原酢造では手作業で麹を造ります。温度や湿度の管理、こまめな手入れなど、その作業は昼夜を問いません。寒冷期のみに造るという都合もあり、シーズン中は醸造所に泊まり込んで作業にあたります。自動で麹を造る機械もありますが、繊細極まりない作業は機械任せにできない点が多々あります。酒造りの核と表現しましたが、第一段階の醗酵を麹が担います。最初の段階でつまずけば、後から修復することは困難です。
神経を張り巡らす作業が続くとネガティブな気持ちに苛まれることもありますが、これまでも、これからも変わることなく情熱をそそぐべき工程です。
その七

もろみ造り
出来上がった麹、蒸した米、水、そして酵母菌を仕込みます。日本酒は並行複醗酵という2種類の醗酵がひとところで行われる世界的にも稀有な醗酵法で造られます。麹が生みだす“酵素“によりデンプンをブドウ糖へ変え、酵母菌がブドウ糖をアルコールへと変化させます。麹の酵素と酵母の両輪を上手に操ることで高品質な酒が生まれます。

麹造りや酒の仕込みを説明してきましたが、もう一つだけ伝えたい大切な点があります。
すべての原料米は精米、洗米、浸漬を経て蒸気で蒸されます。蒸しあげるまでの原料処理の工程の精度が大切です。いかに手間のかかる麹造りや酒仕込みを行おうとも、原料処理が丁寧で高精度で行われていなければ良い品質にはなり得ません。米に負荷をかけない精米、ヌカを丹念に洗い落とす洗米、吸水率を適正に保つ浸漬、ムラがなく過不足なく熱が通った蒸米造りと、各工程に決してブレてはならない原料処理が必要とされます。
その八

酢造り

静置醗酵
長期の醗酵が
生み出す
まろやかさ

「ツンとくる酸味、独特の香りが苦手」という理由で酢が際立つ料理を嫌う人は少なくありません。それは私たちも同じ思いです。
香りの要因はこれまで説明してきた酒造りの工程にあると思いますが、ツンとくる酸味の原因は酢の醗酵法が関係します。“静置醗酵”は酢本来の造り方で、読んで字の如く静かに置いて醗酵のすすみを待ちます。出来上がった酒に酢を造る酢酸菌の膜を浮かべると、菌膜が液体の表面を覆います。空気を好む好気性の菌は表面のみで活動し、アルコール分を酢酸という酸へと変化させます。すべての酒が酢に変わりきるまでにおよそ3ヶ月の期間を要します。
量産品は機械で強制的に醗酵を早め、瞬時にアルコール分を酢酸へと変えてしまいます。酒の段階での品質も大きく異なりますが、強制的に醗酵をすすめて出来上がった酢は酸味の口あたりがキツく、ツンとした酸味の酢になりがちです。
濃厚な酒から静置醗酵によって生まれた酢は酸味がまろやかで風味豊かなものとなります。
これまで酢を苦手とされてきた方は是非とも老梅をお試しください。フタを空けた際に感じる華やかでフルーティな香り、まろやかな口当たりなど、違いを感じて頂けると思います。
その九

充填・検品
醗酵が終わった酢は濾過をして、加熱殺菌・充填を行います。
醗酵の影響により生じた濁りを濾しとり、透き通った液体にします。また、加熱殺菌することで、菌の活動を完全に抑え、品質を保ちます。
充填・密閉したものは目視による検査を行い、異常がなければ、ラベルを貼って完成です。

開封すると、空気中の菌がビン内に入り、品質の変化が起こる場合があります。酢にも腐敗現象はあります。野生の酢酸菌により酢の香味が変化したり、濁り・沈殿物が発生する可能性があります。開封後はフタをきちんと閉めて、空気に触れないこと、高温を避けることに留意してください。
開封後は冷蔵をおすすめしています。